書評
—Charles R Scriver, Arthur L Beaudet, William S Sly, David Valle 著—The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease, 7th ed
繁田 幸男
1
1滋賀医科大学
pp.558
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904205
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“The Metabolic Basis of Inherited Disease”6版が,今回表題に“Molecular Basis”という言葉が入り,改訂された.本書では,特に遺伝性疾患の分子異常が強調されている.さらに遺伝性代謝疾患の分子異常のみならず,癌など非代謝性疾患の遺伝的背景までも分子レベルで検討されていることが,これまでと大きく異なっている.それに伴い,34の新しいトピックスが追加されている.第6版は1989年に出され,2巻の分冊であったものが,6年後の本版では3巻の分冊となり,ページ数もこれまでの3,006ページから600ページ増加し,参考論文も新しく,1994年のものも引用されている.
内容に関して目立った点は,Part 1の前に50ページにわたって遺伝性疾患の遺伝様式,頻度,遺伝子座,遺伝異常が表にまとめられ,極めて分かりやすくなっている.さらにPart 1は大幅に改訂され,特に遺伝子組み替えを用いた遺伝子解析の戦略および遺伝子治療の可能性が概説されている.さらに圧巻は,ヒト遺伝子の遺伝子地図が110ページにわたって収録されていることであり,第6版に比べ約2倍の量となっている.
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