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Charles L. Schepens-Retinal Detachment and Allied Diseases (2 vols.)
清水 弘一
1
1群馬大学
pp.168
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208813
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眼科の関係者すべてがながらく待望していたSche—pensの剥離の本が遂に出た。明かるいグレーの表紙に鮮かな青と赤の文字と模様の押された2冊本で,合せて厚さ7.5cm,目方4.8kgの大冊である。氏が網膜剥離に専念するようになって40年,ボストンのEye and EarInfirmary病院で網膜外来Retina Serviceを世界ではじめて開設してから36年になり,本書にはひとつの専門分野を歴史と共に作りあげた氏の知識と智恵が込められていると見られるのである。
網膜剥離を題名とはしているが,裂孔原性(特発性)剥離をその主対象とし,また,アカデミックな病因論よりも診断と治療とに圧倒的に大きな比重が置かれている。本書全体の7割が手術で2割が検査というページ配分だが,これは,剥離の理論的な面を前のVitreoretinalDisorders (Tolentino, Schepens & Freeman著,659pp.,Saunders, 1976)でたっぷり論じてあるからということらしい。逆に云えば,今度のこの本を読むほどの人は前著を既に卒業している筈ということかとも思われるのである。
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