増刊号 Common Disease 200の治療戦略
感染症
敗血症
杉本 央
1
1大阪大学微生物病研究所感染症研究部門細菌毒素学分野
pp.534-536
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904194
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疾患概念と病態
敗血症とは,微生物あるいはその産物またはその両方による組織破壊と,それに伴い全身に著しい炎症反応が生じている状態であり,全身性炎症反応症候群(systemic infiammatory responsesyndrome:SIRS)の一部を構成する1).症状としては,悪寒戦慄・高熱・弛張熱・関節痛・脾腫・白血球増多(重篤時には減少)などのほか,皮疹(Neisseria meningitidisなど)や溶血(Streptococcus pyogenes, Clostridium perfringensなど)など,原因病原体に特有な症状を呈する.各種臓器の機能不全を呈していれば重度敗血症(severesepsis)といい,循環不全が全面に現れたら敗血症ショック(septic shock)という.一方,菌血症(bacteremia)とは単に細菌が流血中に存在するのことのみを指し,症状のことは問わない.
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