今月の主題 抗生物質の使い方
内科的感染症と抗生物質投与法
敗血症
小林 芳夫
1
1慶応義塾大学医学部・中央臨床検査部
pp.1188-1189
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900297
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敗血症は診断および治療を一歩誤ると,ただちに不幸な転帰をとる重症感染症であり,また適切な治療を行っても治癒にいたるまでに相当の日数を要することも稀ではない難治性感染症である.治療の基本はいうまでもなく起因菌に抗菌力を有する抗生剤の適切な量を適切な方法で投与することである.したがって,起因菌に関する十分な臨床細菌学的知識および抗生剤を自家薬籠中のものとして,使いこなすに十分な知識が必要とされる.以下に主要菌種ごとに治療法を述べるが,これは現在までの経験を踏まえて述べる治療法であり,絶対的なものではない.とくに選択抗生剤に関しては同系統の薬剤を,すなわち自分が使い慣れた薬剤を使用して差し支えないものである.ただしこの場合,投与量に変化をきたす必要が生じる場合のあることには注意すべきである.
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