特集 薬物療法マニュアル
Ⅵ.感染症の薬物療法
2.全身的感染症
敗血症
小針 雅男
1
,
渋谷 和彦
2
Masao KOBARI
1
1仙台オープン病院外科
2東北大学医学部第1外科
pp.359-360
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903883
- 有料閲覧
- 文献概要
敗血症の病態
敗血症の病態は病原菌や毒素あるいは最近では各種の炎症性サイトカインが流血中に存在し,強い全身症状と各重要臓器障害を招来して,緊急に適切な治療を施さないと致死的経過をたどる重症全身感染症と捉えられている.敗血症ではショック,DIC,多臓器不全(MOF)など様々で複雑な病態を起こすが,これらの病態は単なる細菌感染症によるよりはむしろ,感染症に起因する炎症性サイトカインへの全身性の過剰反応,すなわちSIRS(systemic inflammatory response syndrome)として理解されている.SIRSとはACCP(American College of Chest Physicians)がSociety ofClinical Medicineにおいて提唱した概念であり(図)1),敗血症やそれに伴う臓器障害を炎症性サイトカインの面から捉えようとするものである.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.