特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅱ.特殊な病態の術前患者管理
7.感染症
敗血症
谷 徹
1
,
蔦本 慶裕
1
1滋賀医科大学第1外科
pp.377-378
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902524
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症状と診断
敗血症は従来,遠隔臓器にも障害を起こす感染症と考えられ,血中に菌を同定することが必要とする考えもあったが,明確な定義は存在しなかった.現在敗血症は感染症に起因したSIRS(Sys-temic Inflammatory Response Syndrome)と定義することができ1),その診断としては,全身的な炎症の存在,明らかな感染(巣)の存在,血行動態の異常などを確認することが必要である.症状は頻脈,呼吸促進,体温の変化,白血球増多・減少などで示される感染に対する全身反応として出現し,ショックの場合温かく紅潮した皮膚が特徴(warm shock)とされ,その極期には皮膚蒼白,四肢冷感・チアノーゼなどが観察される.
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