増刊号 Common Disease 200の治療戦略
感染症
つつが虫病
丹下 宜紀
1
,
安川 正貴
1
1愛媛大学医学部第1内科
pp.522-523
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904187
- 有料閲覧
- 文献概要
疾患概念と病態
つつが虫病はRickettsia tsutsugamushiを保有するツツガムシの幼虫に刺されて感染し,発熱・発疹・刺し口を特徴とする急性熱性疾患である.わが国では,1975年以降,全国各地で患者数の急激な増加がみられるようになり,最近では年間600〜1,000名の届出患者数に達している1).
刺咬部の皮膚から侵入したリケッチアは,単核細胞や血管内皮細胞に侵入し,増殖する.リンパ行性に所属リンパ節に至り,さらに血行性に全身の網内系組織に拡がり,全身各臓器の巣状血管炎,血管周囲炎を起こす2).
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.