増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
微生物学的検査
その他
つつが虫病
岡山 昭彦
1
,
橘 宣祥
2
,
長友 安弘
1
1宮崎大学医学部内科学講座免疫感染病態学分野
2慈光会宮崎若草病院
pp.598-599
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223398
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つつが虫病は発熱,発疹,刺し口を3主徴とする感染症であり,山歩きなどの機会に,ダニの一種ツツガ虫の幼虫に刺されることにより,Orientia tsutsugamushiに感染する.4類感染症のなかで2番目に頻度が高く,本邦では北海道を除くすべての地域に発生がみられる.
体内に侵入したOrientia tsutsugamushiは局所で増殖して炎症病巣を形成し,リンパ行性,血行性に全身に広がり,血管内皮細胞やマクロファージ内で増殖して微小血管炎・血管周囲炎を起こし,全身諸臓器の障害を起こす.感染より7〜14日の潜伏期の後に急激な発熱で発症し,頭痛,悪寒,全身倦怠感,筋肉や関節の痛みを伴う.発疹は2〜5病日に顔面,体幹から出現する.刺し口は径約10mmの黒色痂皮で覆われた潰瘍で周囲に発赤,腫脹を認める.リンパ節腫脹,肝脾腫を伴うことがある.
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