カラーグラフ
風土病の検査(1)—つつが虫病
清水 文彦
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1東医歯大・微生物学
pp.102-103
発行日 1969年2月15日
Published Date 1969/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906329
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"つつがなく"という言葉があるぐらいに,昔から北日本の日本海沿岸3県(秋田,山形,新潟)の河川流域には,だいたい夏につつが虫(ツツガムシ—アカムシまたはケダニともいう)というダニの1種に刺されることによっておこる発疹性熱性疾患があって,致命率が高いために恐れられていた(いわゆる古典的つつが虫病).同じような疾患が台湾からジャワ,スマトラ,マレー,セイロン,ビルマ,インドなど東南アジアにあることが知られ,さらに今次の大戦でニューギニア,ソロモン群島など西南大平洋地域にもあることが明かにされた.
戦後日本でもこの疾患の調査研究がすすみ,高知,香川では夏に,東京(伊豆七島),神奈川(鶴見,三浦半島),静岡(伊豆半島),千葉(房総半島)では秋から冬に同じような疾患があることが明かにされ,おのおの病原リケッチアの検出がおこなわれた(いわゆる新型つつが虫病).
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