特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
免疫学的検査
感染症関連検査
微生物の抗原・抗体検査
つつが虫病抗体
橘 宣祥
1
,
岡山 昭彦
2
1慈光会宮崎若久病院内科
2宮崎大学医学部臨床検査医学講座
pp.405-407
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101846
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
つつが虫病はOrientia tsutsugamushi(O.tsutsugamushi)の感染による発熱,発疹ならびに刺し口を主要症状とする急性熱性疾患で,主として晩秋と春に発生する.
病態および経過を以下に述べる.有毒ツツガムシに刺された際に感染したO.tsutsugamushiは,局所のマクロファージ内で増殖して皮膚の限局性の炎症性病巣を形成する.「感染部位の皮膚病変は紅斑,中央部は水疱~膿疱となり,発病時には直径約10mmの黒褐色の痂皮で覆われた刺し口となる.」リケッチアは所属リンパ節炎を起こし,血行性に,全身に広がって,血管内皮細胞などで増殖する.臨床的にはこの時期に発熱をはじめとする全身症状が出現する.免疫学的にはこれより3~5日遅れて血清抗体が陽性となる.発病までの期間,すなわち潜伏期は5~14日(7~10日)である.
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