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脾動脈塞栓術と東洋医学的ツボ
石川 清隆
1
1小張総合病院内科
pp.521
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904186
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近年,肝臓癌にPEI(percutaneous ethanol infusion),TAE(transcatheter arterial embolization)などの治療が積極的に行われるようになり,内科でもいわゆる人為的な疼痛をみる機会が多くなってきた.
私の患者さんはC型肝硬変から肝臓癌を発病し,著明な脾腫を伴った血小板減少の強い(血小板2〜3万/μl)例であった.肝臓癌のほうはTAEを何度か施行し,特に合併症もなく順調に推移していたが,胆石からの疝痛発作を繰り返し,当時(平成2年頃)は腹腔鏡下の胆摘術もなく,血小板を何とか増加させてから手術にもって行くことになった.そこで,脾動脈の経皮的塞栓術を施行した.2分の1程度の脾臓梗塞になったが,その後の脾臓の部位の疼痛にはひどいものがあった.インダシン,ソセゴンなどの鎮痛剤を使用したが,なかなか抑えきれず,東洋医学的な治療も試みることとした.耳のツボを検察したら,脾臓点といわれる部位に著明な圧痛を訴え,またそこに体表電位の低下を認め器械が反応した.
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