増刊号 Common Disease 200の治療戦略
内分泌疾患
褐色細胞腫
吉本 勝彦
1
1徳島大学医学部臨床分子栄養学
pp.423-424
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904146
- 有料閲覧
- 文献概要
疾患概念と病態
褐色細胞腫は副腎髄質から生じる腫瘍で,大量のカテコールアミンを産生・放出するため,種々の臨床症状を呈する疾患である.高血圧,頭痛,発汗,動悸,顔面潮紅あるいは蒼白,狭心症様症状,糖尿病,体重減少など多彩な臨床症状を呈する.臨床症状は発作型と持続型に分けられ,前者ではカテコールアミン大量放出時のみに高血圧などの症状を示す.この発作は1日に何回も起こす例から数カ月に1回の例とさまざまで,持続時間も一定しない.後者では高血圧が持続する.その比は2:1と発作型が多い.発作の誘因は,腹部圧迫,排尿,排便,腹部のマッサージなどがある.
本症は全高血圧患者の0.1〜0.5%を占める.本腫瘍の約90%は左右いずれかの副腎から,残りの約10%は両側副腎から生じる.また副腎外発生が10%,悪性型が10%,家族性発生が10%を占めることより,本症は10%病ともいわれる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.