増刊号 Common Disease 200の治療戦略
内分泌疾患
副甲状腺機能低下症
古川 洋太郎
1
1仙台市立病院内科
pp.407-410
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904140
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疾患概念と病態
副甲状腺機能低下症(HP)は副甲状腺ホルモン(PTH)の作用不全のため低カルシウム(Ca)血をきたす疾患であるが,PTHの欠乏による本来のHPと,標的臓器である腎のPTH不応による偽性副甲状腺機能低下症(PHP)とに大別される,両者の治療は,低Ca血の是正を目的に活性型ビタミンDを用いる点で変わりはないが,活性型ビタミンDの治療効果や治療上の問題点などにおいてかなりの違いがある.したがって,治療前に両者を正しく診断しておくことが必要である.
PTHは骨細胞に働き,骨吸収を促進して血中にCaとリン酸を動員する.他方,PTHは腎組織に作用し,遠位尿細管においてCaの再吸収を高め,近位尿細管においてはリン酸と水酸イオンの再吸収を抑制する.この際,骨と遠位尿細管におけるCa作用は,活性型ビタミンDなしでは十分に発揮されない.
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