臨時増刊特集 診断基準とその使い方
V.内分泌・代謝疾患
副甲状腺機能低下症—仮性副甲状腺機能低下症を含む
折茂 肇
1
1東京都養育院付属病院内分泌科
pp.1874-1879
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207538
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副甲状腺機能低下症
概念副甲状腺からの副甲状腺ホルモンの合成,分泌が欠如または低下した状態をいう,本症はその原因によって特発性副甲状腺機能低下症と続発性副甲状腺機能低下症とに分けられる(表1).
1)特発性副甲状腺機能低下症:不明の原因により副甲状腺機能低下症が起こった場合を特発性副甲状腺機能低下症と呼ぶ.生後まもなく発病するものには,伴性劣性遺伝により男性にのみ現われ,他の器官に異常を伴わず比較的予後良好なものと,男女両性にみられ,胸腺の先天性欠損を合併し,生後まもなく死亡するもの(DiGeorge症候群)がある.生後1年以後に発病するものの中には,Addison病やMonilia症を合併するものとしないものとがある.前者はhypoparathyroid-Addison-Monilia症候群とも呼ばれ,自己免疫疾患の一つと考えられている.それぞれの群に家族性のものと散発性のものとがある.
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