増刊号 Common Disease 200の治療戦略
内分泌疾患
副甲状腺機能亢進症
山本 通子
1
1防衛医科大学校第3内科
pp.404-406
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904138
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疾患概念と病態
副甲状腺機能亢進症は,副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)が過剰に分泌される病態で,原発性と続発性に大別される.原発性副甲状腺機能亢進症(primary hyperparathyroidism:1°HP)は副甲状腺の腺腫(稀に癌)または過形成によりPTHが過剰に分泌される結果生じる.一方,続発性副甲状腺機能亢進症は低カルシウム(Ca)血症によりPTHの分泌が刺激されている病態で,慢性腎不全やビタミンD欠乏症の患者などにみられる.本来,副甲状腺自体の病気ではなく,慢性腎不全の項で述べられると思うので,本稿では1°HPについてのみ述べる.
最近のわが国の手術例における集計成績によると,患者の男女比は1:2で女性に多く,年齢分布は男女とも50歳台にピークがみられる1).特に女性では50歳以降の中高年層に患者数が多い.副甲状腺の病変としては,腺腫が約80%で一番多く,過形成15%,癌5%と続く.
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