増刊号 Common Disease 200の治療戦略
血液・造血臓器疾患
特発性血小板減少性紫斑病
安保 浩伸
1
,
半田 誠
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.349-351
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904115
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疾患概念と病態
特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura:ITP)は血小板減少,正常骨髄像,そして他の血小板減少を起こす疾患の除外によって定義される.その病態は急性と慢性に分けられる.急性ITPはウイルス感染などにより生成された免疫複合体が血小板に結合して血小板減少が起こる.一方,慢性ITPは血小板に対する自己抗体がなんらかの原因により生成され,これが血小板に結合して血小板減少が起こる.前者は小児に多くself-limitingであり,後者は成人に多く慢性の経過をとる.
本稿ではITPの治療を慢性ITPを中心に述べることにする.急性ITPにおいても慢性ITPとの鑑別が困難な場合,重篤な出血が疑われるときには慢性ITPの治療に準ずる.
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