増刊号 Common Disease 200の治療戦略
循環器疾患
リンパ管炎・リンパ浮腫
福田 信夫
1
,
大木 崇
2
,
井内 新
2
,
田畑 智継
2
,
加藤 逸夫
3
,
北川 哲也
3
1国立善通寺病院臨床研究部
2徳島大学医学部第2内科
3徳島大学医学部心臓血管外科
pp.100-102
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904001
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リンパ管炎
疾患概念と病態
組織の炎症がリンパ管に波及し,領域リンパ節に向かう疼痛を伴った線状発赤(赤線)をきたした状態をいう.溶血性連鎖球菌,ブドウ球菌などによる急性リンパ管炎と,結核,梅毒,フィラリアなどによる慢性リンパ管炎がある.通常,外傷部,水虫感染部,動脈虚血または静脈性うっ血による潰瘍部などから細菌の侵入が起こる.
急性リンパ管炎では,悪寒・戦慄を伴う高熱,全身倦怠,食欲不振で発症し,四肢の感染部から中枢部へ長軸方向に走る赤線を認め,疼痛,圧痛を伴う.進行すると,所属リンパ節の腫脹・圧痛を認める.慢性リンパ管炎では硬い索状物を触れるが,圧痛は少なく,皮膚発赤や発熱はみられない.リンパ浮腫への進展が問題となることがある.
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