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特集 好酸球細胞外トラップと疾患―― “エフェクター細胞” の新しい視点
好酸球性唾液管炎(線維素性唾液管炎)
-――疾患概念と新たに明らかになった機序,そして今後の展望
Eosinophilic sialodochitis
丸山 彩乃
1
Ayano MARUYAMA
1
1京都府立医科大学大学院医学系研究科皮膚科学
キーワード:
好酸球性唾液管炎(線維素性唾液管炎)
,
アレルギー性耳下腺炎
,
ペリオスチン
,
Th2型炎症性疾患
Keyword:
好酸球性唾液管炎(線維素性唾液管炎)
,
アレルギー性耳下腺炎
,
ペリオスチン
,
Th2型炎症性疾患
pp.191-194
発行日 2024年10月19日
Published Date 2024/10/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291030191
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好酸球性唾液管炎(線維素性唾液管炎,ES)は,発作性反復性に唾液腺が腫脹し,唾液および唾液管開口部から放出される線維素塊に多くの好酸球を含むことが特徴である.線維素塊の形成には,好酸球細胞外トラップ細胞死(EETosis)経路を経て,好酸球の細胞質に多く存在するガレクチン-10の結晶化が関与することが報告されている.しかし,ESにおけるEETosis経路の活性化機序は未解明であった.そこで筆者らは,ES患者が症状出現以前から喘息やアレルギー性鼻炎などの慢性好酸球性疾患を有している例が多く,まれに蕁麻疹を伴う症例があることに注目した.ES患者の唾液腺を健常人と比較することにより,ESの病態がTh2型炎症性疾患の慢性経過によるペリオスチン産生に基づく好酸球の誘導,それに伴うEETosis経路の活性化によるものであることが示唆された.
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