書評
—木村健監訳 谷口友志・佐藤貴一訳—ヘリコバクター・ピロリ感染症
竹本 忠良
1
1東京女子医科大学成人医学センター
pp.90
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903996
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1994年2月,NIHがだした消化性潰瘍に対するH.pyloriの除菌の勧告声明は,わが国に大きな衝撃を与えた.それまでは,多くの製薬メーカーが躊躇していたH.Pylori除菌による再発防止の治験も,にわかに現実のものとなりつつある.胃癌との関連が濃厚であるとなれば,マスメディア・国民の関心も極めて高くなるのも当然のこと.
最近では,消化器の学会や研究会でも,H.pylori会場はむねに満席だ.製薬メーカーの講演会でも特別講演の主題がH.pyloriだと,必ず大入り満員となる.現につい先日のことであるが,木村健教授が「ヘリコバクター・ピロリと胃炎」という題で,某ホテルで特別講演したときも,1,000名を超える入場者があって,インターフェロンの登場の前夜を思わせるような熱気がこの列島に渦巻いていることを証明した.
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