Japanese
English
増刊号 微生物検査 イエローページ
Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法
グラム陰性桿菌
ヘリコバクター・ピロリ
Helicobacter pylori
松井 英則
1
1北里大学 北里生命科学研究所
pp.1353-1356
発行日 2014年10月30日
Published Date 2014/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200058
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
菌の基本情報
1.性状と特徴
・グラム陰性の螺旋菌で運動性がある.
・37℃,5〜6%O2,10%CO2,100%湿度の微好気条件下で3〜5日培養すると1〜2mmの正円形のコロニーを生じる.臨床検体からの分離には,厳密な培養条件を必要とする.
・幅0.4〜1.0μm,長さ2.5〜5μmで2〜3回ねじれてS字状を呈し,4〜8本の単毛性の極鞭毛をもつ.
・オキシダーゼ陽性,カタラーゼ陽性,硝酸塩を還元しない.
・インドール非産生,馬尿酸分解陰性,ウレアーゼ陽性(尿素を分解).
・人の胃粘膜表層に持続感染する.ピロリ(pylori)の名前の由来は,感染部位である胃の「幽門」を意味するラテン語のpylōrusに由来する.英語で発音する場合は「ピロリ」ではなく,「パイロリ」あるいは「パイローライ」となる.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.