“ホッ”とspot
虚血性心疾患の発症を簡便に予測するために
石黒 俊彦
1
1要町病院内科
pp.50
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903980
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高血圧,糖尿病などで外来通院中の患者が,ある日突然心筋梗塞を発症して担ぎ込まれ苦い思いをすることがある.また,特に冠危険因子を持たない中年女性が胸痛を訴え外来を受診,心電図には非特異的なST変化があり,負荷をかけるとSTが若干低下する.もしやと思い冠動脈造影(CAG)を行うと全くのnormal coronaryでスパスムの所見もない.このような経験は誰でも持っていると思われる.これらの苦い経験から,何とかなるべく簡便な方法で,ある程度冠動脈病変を予測することができないだろうかと考え,レジデント時代に経験した1,000例以上の患者について,冠危険因子とCAG所見の関係を調査した.冠危険因子のほか,心電図,負荷心電図所見,胸部症状などを含めた12項目を重症度によって2〜4段階に分け,それぞれの項目の冠動脈病変に対する寄与度を,多変量解析の結果をもとに整数値に表した.それらのポイントを加算することによって,冠動脈に有意狭窄を有する確率(%)を算出することができるCRI(Coronary-Risk-Index)を作成するに至った(詳細は文献参照).
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