特集 エビデンスを2型糖尿病臨床にどう生かせばいい?―Evidence Based MedicineをReal Worldへ
糖尿病の発症予測,発症予防,発症後のコントロール
糖尿病の発症予測
向井 直子
1,2
,
二宮 利治
1,2
Naoko MUKAI
1,2
,
Toshiharu NINOMIYA
1,2
1九州大学大学院医学研究院附属総合コホートセンター
2九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野
キーワード:
糖尿病
,
危険因子
,
リスクスコア
Keyword:
糖尿病
,
危険因子
,
リスクスコア
pp.21-25
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_21
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Summary
▪久山町研究の成績では,空腹時血糖異常(IFG)および耐糖能異常(IGT)よりもさらに低い血糖レベルから糖尿病発症のリスクが高かった.Toranomon Hospital Health Management Center Studyの成績をみると,IFGとHbA1c高値の合併群において糖尿病発症のリスクが大幅に増加した.
▪インスリン抵抗性の関連因子であるメタボリックシンドローム(MetS)および肝酵素の上昇はいずれも糖尿病発症の有意な危険因子であった.
▪リスクスコアは簡便な問診や検査データにより,糖尿病発症の高リスク群を同定することができる.リスクスコアの活用は効率的な糖尿病対策につながると期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2018