一頁講座
皮膚生検の簡便法
佐藤 良夫
pp.382
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201142
- 有料閲覧
- 文献概要
前号では皮膚生検材料採取の一般に行なわれている方法の注意すべき事柄について改めてまとめてみた,忙がしい日常診療では,もつと簡便なやり方で材料を採取することもあり得る.たとえば,完全に有茎性の小腫瘍は,焼灼,電気メスなどで腫瘍実質を傷つけることなく採取できるし,パンチ・バイオプシーもその長短をわきまえて行なえば,習熟者にとつては簡単な方法であろう.
また表在性の皮膚病変や疣贅などの病巣に対しては,メスで水平に削りとるようにして採取し,そのあとは縫合しないという方法も行なわれる.この方法は病変の深さと創傷治癒の問題がポイントとなる.筆者の経験はほとんどないけれども,症例によつては大変簡単な方法のように思われる.これには単純ながらも若干のコツが必要のようである.最近,ウィーン大学のSchenanderおよびFritschは,この術式について次のように記している.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.