小さな工夫
簡便な仙骨麻酔法
田中 学
1
,
米田 健二
2
,
林 睦雄
1
,
宮崎 東洋
3
1たかの橋中央病院泌尿器科
2マツダ病院泌尿器科
3順天堂大学医学部ペインクリニック研究室
pp.558-559
発行日 2002年6月20日
Published Date 2002/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903578
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仙骨麻酔の標準的手技は,仙骨裂孔中央部で針をやや立てぎみにして刺入し,仙骨靱帯を貫いたら針を仙骨管と平行に倒して奥に進める,とされている。欠点として局所麻酔薬による中毒症状があるが,その頻度は低いとされている。針をS2より頭方向へ進めると硬膜を破るので注意を要する。
近年は全身麻酔,硬膜外麻酔のみならず,腰椎麻酔も麻酔科医に依頼する施設が少なくないと思われるが,仙骨麻酔は経尿道的操作を日常的に必要とする泌尿器科医にとって,自ら習得しておくべき身近な麻酔法である。しかしながら,非習熟者による奏功率は高いものではなく,習熟者の施行でも1割程度の症例には十分な除痛効果が得られないのが現実である。施設,施行者により,仙骨麻酔を活用する頻度,適応はかなりばらつきがあるものと考えられる。
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