今月の主題 脂質代謝と動脈硬化
高脂血症治療の諸問題と新しい展開
抗酸化剤の意義とその実際的適応
鹿住 敏
1
,
芳野 原
2
1兵庫県立成人病センター内科代謝内分泌部門
2東邦大学医学部臨床検査医学
pp.739-741
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903605
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ポイント
●フリーラジカルとは,不対電子(化学反応性を増加させる)を保有する原子あるいは分子(通常,電子は対で存在する)のことである.
●生体内でつくられるフリーラジカルの特徴として,①OH*(hydroxyl radical)は反応性に富み,②O2*-(superoxide),③NO*(nitric oxide)は反応性には乏しいが,より毒性の強い物質を産生する.
●生体内での抗酸化防御機構として,①SOD(superoxide dismutase),②カタラーゼ,③グルタチオンペルオキシターゼは細胞内に存在し,④金属輸送蛋白(トランスフェリンなど)は細胞外(血中)に,⑤ビタミンE(特にα-トコフェロール),⑥ビタミンC(アスコルビン酸塩),⑦尿酸塩は細胞内外に存在する.
●抗酸化物質として,薬剤には①プロブコールが,食物に含まれるものには①ビタミンE(特にα-トコフェロール),②ビタミンC,③カロチノイド(特にβ-カロチン),④フラボノイドがある.
●食物に含まれる抗酸化剤(果実と野菜を多目に摂る)は冠動脈疾患のリスクを減らす.
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