主張
病院経営とゴールドプラン
Y
pp.113
発行日 1992年2月1日
Published Date 1992/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900023
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昭和57年の老人保健法制定以来,厚生省は来たるべき高齢化社会に対応するため各種提言,モデル事業を行い,平成元年12月にはゴールドプランを制定した.しかし,このゴールドプランに対する病院側の反応はあまりはかばかしくない.確かに,ゴールドプランは将来の高齢化社会に対する1つの切り札には違いないが,病院の経営よりみた場合,事業を規制し,またその糧でもある医療法と社会保険診療報酬体系という二大要素とかけ離れた実態であることが,隘路となっているように思われる.
すなわち,病院の財務上,人的資源の両面で対応が極めて困難であると考えられるのである.昭和63年度における厚生省「病院経営収支調査」によれば,一般病院の医業収益100に対する医業費用の割合は101.6となっており,財務上は赤字である.このような状況下で経営的に考えられる対策は,外来および入院収入の増加を図ると同時に,経費の節減に努めることである.他分野への投資は極力抑えなければならない.
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