今月の主題 臨床医のための血液疾患の理解
血小板と凝固系異常
血小板増多へのアプローチ
高橋 芳右
1
1新潟大学医学部第1内科
pp.543-545
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902644
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ポイント
●血小板増多症には,本態性血小板血症をはじめとする慢性骨髄増殖性疾患によるものと,反応性(二次性)のものがある.特に前者で血小板数が著増し,臨床的にも血栓.出血症状をきたしやすい.
●本態性血小板血症における血栓症状としては中枢神経系症状(一過性脳虚血発作など),指趾虚血,先端紅痛症が特徴的である.
●血小板増多の高度な慢性骨髄増殖性疾患では,特異的血小板機能異常としてエピネフリン凝集の欠如と血小板自然凝集が見られる.
●血小板増多が高度で,それに伴う臨床症状がある場合には,hydroxyureaにより血小板数を減少させるか,aspirinなどの抗血小板薬を投与する.
●血小板増多があると,血清Kが見かけ上高値を示すことがあり,注意を要する.
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