今月の主題 消化器疾患の治療法—1994年の再評価
肝疾患
肝硬変に伴う出血傾向
金山 正明
1
1平塚共済病院消化器科
pp.110-113
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902556
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ポイント
●肝硬変に伴う出血傾向の成因は,凝固因子の産生障害による欠乏と血小板の減少が主体である.
●出血傾向に対する治療は原因である肝病変が非可逆性であるため,一過性の効果しか期待できないが,速効性であることが重要である.
●欠乏している凝固因子や血小板を直接補充することが,最も確実で速効的である
●実際に出血をしている場合,局所的治療と並行して,プロトロンビン時間が20秒以上に延長している場合は新鮮凍結血漿を,血小板数が30,000/μl以下の場合は濃縮血小板を補充する.
●DIC症候群合併例では,濃縮アンチトロンビンIIIとヘパリンの併用を行う.
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