今月の主題 消化器疾患の治療法—1994年の再評価
肝疾患
肝硬変に伴う腹水,浮腫
柴田 実
1
1総合川崎中央病院内科
pp.102-108
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902555
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ポイント
●肝硬変による腹水と他の原因による腹水との鑑別を正確に行う.
●Na制限食が治療の基本である.
●治療には定石的手順があり,安易な利尿剤,血漿製剤の投与を避ける.
●利尿剤の過剰投与は肝性脳症,急性腎不全,電解質異常などの副作用をきたす.慎重かつ緩徐に治療を進め,利尿がついたら早めに減薬する.
●難治性腹水には腹水穿刺,腹水濃縮再注入,Le Veen shuntなどの治療法がある.腹水穿刺は従来は禁忌であったが,最近はアルブミンを補給しながらの積極的な排除も行われている.
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