今月の主題 閉塞性肺疾患の診断と治療
治療の進歩
新しい試み—胸腔鏡下レーザー照射によるブラ焼灼と横隔膜形成
河野 匡
1
,
古瀬 彰
1東京大学医学部胸部外科
pp.2176-2177
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902497
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●内科的治療の限界に達した肺気腫に対しては現在まで肺移植以外に有効な治療法がなかった.
●最近,肺気腫に対し胸腔鏡下にレーザーを用いて肺の表面を焼灼する治療法が可能となった.
●レーザー焼灼により気腫肺の表面が収縮するととともにやや硬化し,過大になっている肺コンプライアンスが正常化し,総肺容量が減少する.
●肺容量の減少は呼吸筋を内側に戻し,呼気位に近い状態にする.平坦化していた横隔膜はドーム型となり,換気,呼吸機能が改善する.
●胸腔鏡下に行うことにより拘束性障害を加えることなく手術を行うことができる.
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