対談 内科診療のあゆみ・11
内科診療と消化管疾患
上野 文昭
1
,
尾形 悦郎
2
1東海大学医学部附属大磯病院内科
2癌研究会附属病院
pp.2221-2231
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902502
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消化管疾患理解の変化
より動的に捉える
尾形 消化管疾患というテーマでお話を伺っていきたいと思います.日常臨床で一番頻度の多いプロブレムは,胃が痛い,お腹をこわした,下痢をした,などということではないでしょうか.その場合に食中毒など病原性細菌の感染を含め,昔も今も病像はそうは変わっていないと思うのです.ただ最近,昔と違いまして,たとえば胃の障害だと非ステロイド抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)など薬によって起こったものなどはかなり出てきました.また,急性胃粘膜病変(acute gastric mucosal lesion:AGML)という言葉が出てきたりしていますし,大腸疾患の場合には,昔からありましたが,炎症性大腸疾患や過敏性腸症候群(irritable boweIsyndrome:IBS)などが多くなったような気がします.そういうことも含めまして,病像は昔も今も変わらないのですが,新しい概念,知識の導入によって,ごく当たり前の胃腸疾患の理解がどのように変化したか.まずはそこからお話を伺いたいと思うのですが.
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