電子内視鏡による大腸疾患の診断・16
villous tumor
剛崎 寛徳
1
,
酒井 義浩
2
1東邦大学医学部第3内科(大橋病院)
2東邦大学医学部第3内科大橋病院消化器診断部
pp.1137-1141
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902151
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大腸におけるvillous tumor(絨毛腫瘍)は乳頭状増殖による細小の突起が無数に存在する広基性の隆起性病変で,癌化率が高いとされてきた.従来,本邦では稀な疾患であったが,最近,大腸内視鏡および注腸X線検査が,より微小な,より丈の低い病変を指摘し得るようになったため増加しており,形態学的にも無茎広基性だけでなく,球状,有茎性隆起も存在することが指摘されるようになった.また結節および顆粒が集簇しただけの扁平隆起性病変も多数発見されるようになっている.組織学的にも腺管の増殖による腺腫だけでなく,絨毛状変化を伴う非腫瘍性病変も存在することもある.
本稿では臨床的な一般的事項とともに,villous tumorの電子スコープ像について述べる.
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