今月の主題 心不全診療の新たな展開
心不全に対する基礎的研究の進歩
不全心筋のカルシウムハンドリング
石出 信正
1
1東北大学医学部第1内科
pp.1108-1109
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902144
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●不全心筋あるいは肥大心筋では,筋小胞体のカルシウムイオン汲み上げポンプの数が減少し,細胞膜のカルシウムチャンネルの不活性化も遅れる.そのため,カルシウムトランジェントの持続時間は延長し,2峰性になる.
●不全心筋では細胞外へのカルシウムイオン汲み出し能力が低下する.
●これらの結果,不全心筋では,心筋弛緩能が低下する.この低下は高心拍数において著明になる.
●細胞内カルシウムハンドリングの異常は不整脈の誘因になり得る.
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