今月の主題 出血傾向の臨床
凝固異常による出血傾向
肝疾患と凝固異常
金山 正明
1
1平塚共済病院内科
pp.54-56
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901924
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●劇症肝炎,非代償性肝硬変,重症型アルコール性肝炎などの重症肝疾患では,しばしば出血傾向がみられるが,その成因は主に,肝で生産される凝固因子の減少と脾機能亢進や脾内プール増大による血小板減少の組み合わせである.
●凝固異常を示す肝疾患には,ビタミンKの投与,新鮮凍結血漿による凝固因子の補充を行う.
●劇症肝炎や重症アルコール性肝炎では比較的高頻度に,肝細胞癌合併肝硬変や非代償性肝硬変でも時にDIC症候群を合併する.
●DIC合併例にはAT III製剤とヘパリンの併用やメシル酸ガベキサートの投与を行う.
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