臨床医のための分子生物学・1【新連載】
医学の「分子化」
長野 敬
1
1自治医科大学・生物学教室
pp.353-358
発行日 1992年2月10日
Published Date 1992/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901391
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研究室の看板を掲げているからには,科学研究費,略して科研費の申請は,毎年秋の大事な年中行事だ.労多いわりに,功は少ない行事だが,それはともかく,プロジェクトが組み替えDNAを用いるテーマである場合に,科研費の書式では,原票の所定欄に(組)と記入していた.警察の(暴)とか税務署のマルサも連想され,どうもスマートな記号法と言いかねるのだが,とにかく以前には,そう書く決まりになっていた(たまたま一昨年からの書式では,この嫌味に反応するかのように,マルで囲まなくても良いことになった!).
この風習が何年前に始まったのか,正確な記憶がなかった.大学の事務部局に尋ねてみたら,古い綴りを親切に調べてくれた.昭和56年(1981)には,すでにシステムは採用されていた.それ以前は書類の保管期限を過ぎているようで,はっきりしない.もう少し後から始まったように,何となく思っていたのだが,すでに十年経っていたのだ.十年ひと昔か……感概にふけっている場合ではない.原稿を進めなければならない.
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