特集 CKDの病態理解と新規治療法開発の現況
腎線維化の分子機序
萩原 広一郎
1
1京都大学大学院医学研究科腎臓内科学講座
キーワード:
線維化
,
線維芽細胞
,
腎性貧血
,
三次リンパ組織
Keyword:
線維化
,
線維芽細胞
,
腎性貧血
,
三次リンパ組織
pp.23-25
発行日 2020年5月20日
Published Date 2020/5/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.05_0023-0025
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線維化は全身臓器において組織障害に随伴して認められる共通した病理所見であり,腎臓においても基礎疾患の種類を問わず障害後には線維化が認められ,その重症度が腎予後と相関することが示されている。腎線維化は主に障害に応答した線維芽細胞がα-smooth muscle actin(SMA)陽性myofibroblastへと形質転換し,大量の細胞外マトリックスを産生しながら盛んに増殖することで進展する。この形質転換に際して,腎線維芽細胞は造血ホルモンであるエリスロポエチンの産生能を失い,また毛細血管の正常な組織構築を保つことができなくなることで,腎性貧血および毛細血管密度減少という2つの慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の代表的な合併症をも引き起こし,複合的に腎臓病を進展させることも明らかにされている。「KEY WORDS」線維化,線維芽細胞,腎性貧血,三次リンパ組織
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