講座 図解病態のしくみ 肝臓病・1【新連載】
肝臓の形態と機能
渡辺 明治
1
1富山医科薬科大学医学部・第3内科
pp.344-352
発行日 1992年2月10日
Published Date 1992/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901390
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最近の肝臓病に関する研究の進歩は目覚ましく,病因と病態の解明,画像診断の普及による診断精度の向上,ウイルス学的治療や予防に大きな成果がみられる.C型肝炎ウイルスや肝発癌機構に関する分子生物学的研究も重要であるが,肝臓の構造と機能との関わり合いを解明することはこの分野の永遠のテーマであり,過去にもその成果が肝臓病の診断と治療に生かされた例は多い.物質輸送や蛋白・胆汁分泌に果たす細胞骨格(cyto-skeleton)の役割,肝細胞の機能の調節と肝微小循環に関与する類洞壁細胞の機能が明らかにされてきた.
肝臓病シリーズの第1回目として,肝の構造と機能との関連を中心に,肝の病態成立の理解に重要と思われるいくつかの事項を取り上げた.
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