今月の主題 胆道系疾患1992
病態に応じた胆道系疾患の診断と治療
無症候性胆石症の自然史とそのマネージメント
梶山 梧朗
1
1広島大学医学部・第1内科
pp.278-279
発行日 1992年2月10日
Published Date 1992/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901373
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無症候性胆石(無症状胆石)を扱ううえにおいてつねに問題として取り上げられてきたものは,そのうち何パーセントが有症状化するか,目前の無症状胆石を持つ患者が将来有症状化するか否か,胆石の存在が胆嚢癌の危険因子となるかどうかといった点である.そしてそれらの点から,目前の患者に対して手術をはじめとする治療を現時点で行うべきか否かの判断を下すことが必要である.
これらの判断は臨床医にとってもっとも切実に必要に迫られた課題であり,今までにも繰り返し論じられてきたが,決定的な結論が得られるに至っていない.
加えて近年,純内科的胆石治療法といえる経口胆石溶解療法や体外衝撃波胆石破砕療法が登場し,普及しつつあるが,たとえこれらの適応基準に当てはまった場合でも,すべての無症候性胆石に実施することには大きな疑問が持たれる.
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