今月の主題 よくわかる内分泌疾患
内分泌疾患治療の進歩
悪性腫瘍に伴う高力ルシウム血症の治療
佐藤 幹二
1
1東京女子医科大学・内分泌疾患総合医療センター・内科
pp.1972-1975
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901227
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悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症(malignancy-associated hypercalcemia;MAH)は一般には末期症状であり,その予後もきわめて不良である.事実,最近10年の間に当内分泌センターに入院したMAH患者(約20名)で現在も存命中のものは,副甲状腺癌患者のみである.
MAHは多彩な臨床症状を呈してくるので,臨床症状からだけでは診断できないことが多い.したがって原因不明の全身倦怠感,体重減少,口渇,多飲,食欲不振などが生じてきた場合には,なにはともあれ血清カルシウムとリンおよび血清アルブミン濃度を測定してみることである.
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