今月の主題 水電解質と酸塩基平衡
臨床の話題
悪性腫瘍の高Ca血症
松本 俊夫
1
1東京大学医学部・第4内科
pp.878-880
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220373
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
悪性腫瘍に伴う高Ca血症は,高Ca血症の原因のうちで最も頻度が高いもののひとつである(「高Ca血症」の項参照).当初は,全て骨転移による局所での骨溶解に基づく(local osteolytic hypercalcemia,LOH)ものと考えられていたが,その後,腫瘍からの液性因子の産生を介するもの(humoral hypercalcemia of malignancy,HHM)が存在することが明らかとなった,さらに,このような液性因子の産生を介するものが全体の半数以上を占めること1,2),この惹起因子の発現が腫瘍遺伝子の発現と密接に関連している可能性があること,などからHHMの発現機序に関する研究が急速に注目をあびるようになった.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.