今月の主題 よくわかる内分泌疾患
内分泌疾患治療の進歩
甲状腺ホルモン剤,抗甲状腺剤の使い方
高須 信行
1
,
小宮 一郎
1
1信州大学医学部・老年科
pp.1962-1967
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901225
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ポイント
1)甲状腺機能低下症にはT4を投与する.血中T3を120ng/dl,T4を8μg/dl,TSHを0.5〜2.5μU/mlにする.
2)T4を投与するに当たり注意すべきことは,①甲状腺ホルモン投与は狭心症,心筋梗塞を誘発することがあるということと,②副腎皮質機能が低下している患者にT4を投与すると,Adrenal Crisisを引き起こすことである.
3)甲状腺機能低下症のなかには甲状腺ホルモン投与を中止することができる患者がいる.このような患者をどのようにしてみつけるか?
4)バセドウ病は抗甲状腺剤で治療する.MMIとPTUがある.血中T3を120ng/dl,T4を8μg/dl,TSHを0.5〜2.5μU/mlに維持する.
5)MMIとPTUの副作用には,薬疹,掻痒,肝機能障害,無顆粒球症,白血球減少がある.
6)緩解の目安はTRAb消失とT3抑制試験陽性である.
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