Japanese
English
綜説
負荷心筋コントラストエコー法
Stress Myocardial Contrast Echocardiography
林 英宰
1
,
石蔵 文信
2
,
別府 慎太郎
2
Young-Jae Lim
1
,
Fuminobu Ishikura
2
,
Shintaro Beppu
2
1河内総合病院循環器科
2大阪大学医学部保健学科
1Department of Cardiology, Kawa-chi General Hospital
2School of Allied Health Sciences, Osaka University Faculty of Medicine
pp.1085-1093
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902378
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
経静脈性心筋コントラスト
エコー法の基礎と展望
1.心エコー図法による虚血の判定
心エコー図法は,心筋梗塞などの虚血の結果として生じた壁運動の評価やno reflow現象の解明1)に威力を発揮したが,狭心症のように安静時には壁運動異常がない病態を診断することは容易ではない.これは,単に心エコー図法の問題ではなく,心電図やラジオアイソトープ法などの診断法でも同様で,安静時の心筋虚血の診断は困難である.それは,狭心症患者の狭窄冠動脈の血流は安静時には正常冠動脈と同様に心筋酸素消費に見合うだけの血流を供給しており,虚血は生じない.運動やドブタミン薬物負荷などで心筋酸素消費量を増加させたり,アデノシンやジピリダモールなどで冠動脈を拡張させると,狭窄冠動脈はそれに見合うだけの血流を供給できなくなり,虚血が生じる.心電図ではSTの変化,ラジオアイソトープ法では取り込みの低下として虚血を捉えることができる.心エコー図法では主に壁運動異常の出現として虚血を捉えていた.
心筋コントラストエコー法は心エコー図法の弱点であった心筋灌流が評価できることで期待が高まった.コントラストエコー法が従来の新手法と全く異なる点は,体内になかったものを画像化することである.そのため,新技術は微小気泡を画像化することを目的としている.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.