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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
1章 全身疾患
腹水貯留性疾患
Diseases with ascites
池田 隆明
1
1横須賀市立うわまち病院消化器内科
pp.385-387
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201936
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腹腔内には生理的に50mL程度の液体が存在する.腹水とは,これを超えた量の液体が腹腔内に存在する状態やその液体を指す.超音波検査は腹水貯留の診断に有用である.腹水貯留性疾患の代表は,肝硬変などの門脈圧亢進を伴う疾患である.全身的な体液貯留に関連した腹水は,ネフローゼ症候群,心不全で認められる.ほかに癌性や感染性腹膜炎,内分泌疾患,膠原病による腹水などがある.血清と腹水のアルブミン濃度差(SAAG)は,腹水の原因が門脈圧亢進によるか否かの指標になる.疾患を特定するため,さらに腹水中の細胞診,白血球数の確認や生化学的検査を行う.腹水貯留の病態,治療に関連した電解質異常の把握も重要である.
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