今月の主題 糖尿病診療の実際
合併症への対応
神経障害—早期発見のための検査法
鈴木 吉彦
1
1東京都済生会中央病院・内科
pp.826-827
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900872
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●神経障害を早期に発見するには機能的異常を検知する必要がある
種々ある検査の中で,糖尿病性神経障害を早期に検知するのは振動覚測定とされる.理由は,一般に,単神経自体障害より複数神経の協調障害のほうが機能的レベルでの低下を認めやすく,なかでも振動伝達が多数の有髄線維の協調によって中枢へ伝達されるため,早期発見に適した特性を有しているからである.このため振動覚異常は形態学的変化のない高血糖によるなどの機能的異常にも敏感に反応するとされる.
他にも心拍変動測定や神経伝導速度測定検査などもあるが,前者は加齢の影響,後者は測定技術や温度の影響を受けやすいことより,再現性が悪く,信頼性に欠ける短所がある.
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