PROPOSAL
早期癌とその発見について
常岡 健二
1
1東京大学内科
pp.175-176
発行日 1964年3月10日
Published Date 1964/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202992
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癌研究の進歩と歩みを並べて,癌啓蒙の方も一般に大いに浸透しつつある今日ではあるが,なお歯がゆい所が多い。啓蒙はするのだが,その教化を受けて外来を訪れる一見健康診断型の患者(でもないような人たち)は,そこでの医者の態度に充分満足して帰らないという例をも幾つか耳にする。癌を恐れる人たちを受け入れる側の態勢にはなかなか容易ならぬ問題があると言わねばなるまい。
ところで癌啓蒙の大きな標語の一つは早期発見(受診)という事だが,いわゆる早期癌についての専門的な意見は必らずしも斉一なものでなくたとえ早期癌の状態で発見しても手遅れではないかとの声もある訳である。この声も先の癌啓蒙の問題と絡めて考えると,決して軽々に看過し得ることとは思われない。
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