今月の主題 膠原病—活動性の評価と治療の選択
治療方針の決定とフォローアップ
強皮症
近藤 啓文
1
1北里大学医学部・内科
pp.2252-2253
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900584
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●強皮症の治療の問題点1)
全身性強皮症の治療法に決定的なものがない現時点では,多くは対症療法にとどまっている.そこで,病期,病型および病気の活動性を考慮して治療法を選択することになる.
まず,強皮症の病期の判定であるが,これは容易ではない.強皮症の初発症状は60%以上がRaynaud現象で,手の浮腫症状と関節痛がこれに次いでいる.初発症状から来院までの期間をみると,早期に来院する患者もいれば,10年以上たって来院するものもいる.しかし,前者が早期で軽症,後者が後期で重症と簡単に分類することはできない.むしろ前者に急速に進行する重症例が入ることがある.
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