今月の主題 膠原病診療の実際
診断へのアプローチ
強皮症
近藤 啓文
1
1北里大学医学部・内科
pp.1370-1371
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221039
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強皮症(全身性硬化症,PSS)は皮膚硬化を主症状とする全身性の結合組織疾患である.Raynaud現象を伴い,皮膚硬化が全身に及ぶ古典的典型例ではその診断は困難ではない.患者を一見するだけでも診断可能な疾患である.しかし,かかる症例は教室の集計でも40%以下にすぎず,皮膚硬化が手指に限局する型も少なくない.このような軽度の皮膚硬化の存在を見落とさないことが本症の診断のポイントである.すなわち,皮膚硬化が軽度の早期例やCREST症候群,あるいは他の膠原病とのオーバーラップ症候群例に診断が困難な症例が認められる.
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