今月の主題 膠原病—活動性の評価と治療の選択
臨床的活動性の評価と予後に影響する因子
強皮症
熊谷 安夫
1
,
橋本 博史
2
1東京都立墨東病院・内科
2順天堂大学医学部・内科
pp.2232-2234
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900577
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全身性強皮症(進行性全身性硬化症;以下PSS)の予後は合併した内臓病変の部位,性質により規定される.とくにこの疾患にみられる動脈のムコイド型の内膜肥厚は全身に広く存在し,その分布と程度は予後に深く関与する.したがって臨床的にPSSの活動性を問題とする場合,血管病変の早期診断が重要である.多くの報告では予後の悪い順に,腎病変,心病変,肺病変,非合併群である(図1).
またPSSでは,疾患概念上また診断上,皮膚硬化が重視される.とくに皮膚硬化の範囲による分類と各種内臓病変との関連が指摘されており(表),皮膚硬化の範囲と予後との相関があるという報告が多い.原則的には重症合併症が多いびまん型PSSのほうが,限局型PSS(従来の肢端硬化症,CREST症候群)より予後が悪いといわれる.
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