Japanese
English
特集 難病
強皮症
Scleroderma
石川 英一
1
,
田村 多絵子
1
Hidekazu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科教室
pp.691-694
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101301
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Ⅰ.強皮症とは
強皮症とは,皮膚の硬化を特徴とする原因不明の疾患を指す.そのうち内臓にも病変のみられる汎発性強皮症(Sclerodermia diffusa)は,古くはヒポクラテスの時代にもあった様であるが,1942年にKlemperer1)によって,全身性エリテマトーデスと共に膠原病としての位置づけがなされ,今日皮膚のみならず,全身各諸臓器の結合組織が広範におかされることが明らかにされている難治性疾患である.従って本症は進行性全身性硬化症(progressive systemic sclerosis)とも呼ばれる.一般に強皮症という病名は全身性のもの(汎発性強皮症)を指すことが多いが,他に皮膚に限局性に病変がみられる限局性強皮症もあり,診断上区別する必要がある.
この疾患は時に急性に進行するが多くは慢性経過をとるもので,正確な発病年齢を知ることは必ずしも容易でないが,筆者らの教室例(63例),安倍2),Tuffanelli & Winkelmann3)の報告から類推して,40歳前後に発病することが多いようである.男女の比は,安倍2)は1:5.8,Tuffanelli & Winkelmann3)は1:3と女性に多いとしている.筆者らの症例では63例中60例が女性で,圧倒的に女性が多い.
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