今月の主題 膠原病—活動性の評価と治療の選択
膠原病検査所見のアセスメント
谷本 潔昭
1
1東京大学医学部・物療内科
pp.2219-2221
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900574
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膠原病診療に際して必要な検査は,診断に必要な検査,活動性や治療効果を推定するための検査,合併症や副作用の出現を発見するための検査に大別される.したがって,1回だけでよい検査もあれば,頻回に行わなければならない検査もありうる.
診断に必要な検査は表1に示すごとく各疾患によって異なり,たとえば,慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)では,関節X線撮影やリウマチ反応の測定は不可欠であるが,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythe-matosus, SLE)では,むしろ抗核抗体,抗DNA抗体,抗Sm抗体,梅毒血清反応などの免疫異常に関する検査,血算(貧血,白血球減少,リンパ球減少,血小板減少など),検尿などが必要となってくることが多い.強皮症(progressive systemic scle-rosis, PSS)では,皮膚生検,胸部X線が,皮膚筋炎・多発筋炎では徒手筋力テスト,握力,筋原性酵素の測定,筋電図,筋生検が必要となり,血管炎群では血管造影や血管生検が必要となる.
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